【特定技能2号】「業務内容に関する誓約書」とは?建設会社が確認すべきポイント
特定技能2号「業務内容に関する誓約書」と建設会社が確認すべきポイント

【特定技能2号】「業務内容に関する誓約書」とは?建設会社が確認すべきポイント

建設分野で特定技能外国人を受け入れている会社の中には、 現在「特定技能1号」で働いている外国人について、 今後「特定技能2号」への移行を検討している会社もあるのではないでしょうか。

出入国在留管理庁は、2026年8月5日に 「2号特定技能外国人の業務内容について」を掲載しました。 その後、8月20日には「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」、 「特定技能関係の申請・届出様式一覧」、 「『特定技能』に係る提出書類一覧表」が更新されています。

現在、2号特定技能外国人の在留諸申請では、 「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書(参考様式第1-32号)」 の提出が求められています。

さらに2026年9月10日には、 この誓約書に関する 「特定技能制度に関するQ&A」のQ102 が追加されました。

建設分野の特定技能2号では、 所定の技能試験等への合格だけではなく、 建設現場において複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、 工程を管理する者としての実務経験が必要です。

そのため、 「試験に合格したから2号へ変更できる」とだけ考えるのではなく、 2号移行後に実際にどのような業務を担当させるのか、 現場でどのような役割を担うのかまで整理しておくことが重要です。

この記事では、建設会社の方に向けて、次のポイントを中心に解説します。

  • 特定技能2号は特定技能1号と何が違うのか
  • 「業務内容に関する誓約書」とはどのような書類なのか
  • 建設分野で求められる「作業」「指導」「工程管理」とは何か
  • 2026年9月10日に追加されたQ102の内容
  • 特定技能2号に必要となる職長・班長としての実務経験
  • 1号から2号へ移行するときの建設分野独自の手続
  • 受入企業が移行前に確認しておきたい7つのポイント
【2026年9月24日時点の情報です】
参考様式第1-32号の運用については、 出入国在留管理庁が現在、 「指導対象者の考え方を含め、内容の見直しを検討しています」としています。 今後取扱いが変更・明確化される可能性がありますので、 実際の申請時には最新のQ&Aや提出書類をご確認ください。

特定技能2号は「1号の延長」ではありません

まず押さえておきたいのは、 特定技能1号として一定期間働けば、 自動的に特定技能2号へ移行できるわけではない という点です。

特定技能2号では、 特定産業分野において 「熟練した技能」を要する業務に従事することが求められます。

建設分野の場合は、 業務区分に対応する技能要件と、 職長・班長としての一定の実務経験を満たす必要があります。

確認項目 特定技能1号 特定技能2号
技能水準 相当程度の知識又は経験を必要とする技能 熟練した技能
建設分野での業務 指導者の指示・監督を受けながら、対象となる建設作業等に従事 複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理
建設分野2号の実務経験 ― 職種に応じた職長・班長としての実務経験が必要
1号からの移行 ― 1号を一定期間終えれば自動的に移行する制度ではない

なお、特定技能2号で定められた技能水準と実務経験を有していると認められる場合には、 特定技能1号を経ずに特定技能2号を取得することも可能とされています。

特定技能2号「業務内容に関する誓約書」とは?

特定技能2号の業務内容に関する誓約書の概要

2号特定技能外国人の在留諸申請では、 「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書(参考様式第1-32号)」 の提出が求められています。

ここで大切なのは、 「2号になるための技能要件を満たしている」 「必要な実務経験を満たしている」 という資格面の確認だけではありません。

2号特定技能外国人として、 実際にどのような業務に従事させるのか についても、 申請時の内容と実際の就労状況との整合性を意識して整理しておく必要があります。

「2号になれるか」と「2号として何をするか」は分けて考える

実務では、次の二つを分けて確認すると分かりやすくなります。

確認すること 主な内容
2号になるための要件 業務区分に対応する試験への合格、職長・班長として必要な実務経験など
2号移行後の業務 対象となる建設作業、複数の建設技能者への指導、工程管理など

そのため、 外国人本人の試験結果や経歴だけではなく、 会社として2号移行後にどのような業務を担当してもらう予定なのか まで整理しておくことが重要です。

建設会社では「実際にどのような仕事をしてもらうのか」が重要

特定技能2号外国人が建設技能者を指導し工程管理するイメージ

建設分野の特定技能2号では、 単に本人が高い技能を持って作業できるだけではなく、 複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、 工程を管理することが業務区分の内容として定められています。

① 自ら建設作業に従事する

特定技能2号は、 現場作業を行わず管理だけを行う在留資格というわけではありません。 取得している業務区分に対応する建設作業等に、 本人も技能者として従事します。

② 複数の建設技能者を指導する

建設分野の2号では、 複数の建設技能者を指導しながら作業に従事することが業務内容として定められています。

今回の参考様式第1-32号をめぐっては、 この「指導対象者」の考え方が実務上の重要な論点となっています。

③ 工程を管理する

作業に従事するだけではなく、 工程を管理することも建設分野の特定技能2号の業務内容に含まれています。

建設分野の業務区分は3つ

  • 土木
  • 建築
  • ライフライン・設備

各業務区分ごとに、 従事できる業務内容や対応する試験等が定められています。 実際に従事させる工事と、 外国人が取得する業務区分との対応も確認しておく必要があります。

関連業務は「付随的」であれば従事できます

建設分野では、 主たる業務に従事する日本人が通常行う 作業準備、原材料・部品の調達や搬送、 機器・工具等の保守管理、片付け、清掃等の関連業務について、 付随的に従事することは差し支えないとされています。

一方で、 関連業務だけに専ら従事させることは認められていません。

【重要】2026年9月10日、入管庁がQ102を追加

特定技能2号の業務内容に関する誓約書について入管庁がQ102を追加

今回の「業務内容に関する誓約書」を確認するうえで、 特に注意しておきたいのが、 2026年9月10日に追加された Q102です。

Q102では、 2号特定技能外国人の在留諸申請で参考様式第1-32号の提出が求められていることを前提として、 指導を行う指導対象者がいない場合など、 満たすべき要件を満たしていない場合の取扱いについて質問されています。

Q102の重要ポイント

入管庁は、 指導対象者が一時的に不足している場合や、 指導対象者がフルタイムではない場合などについて問い合わせを受けているとしたうえで、 「現在、指導対象者の考え方を含め、内容の見直しを検討しています」 としています。

現時点で「指導対象者」の取扱いを独自に決めつけない

Q102は、 こうしたケースについて一律の結論を示したものではありません。 入管庁自身が、 指導対象者の考え方を含め、 参考様式第1-32号に関する運用内容の見直しを検討している段階です。

したがって、 申請時点の最新Q&A・参考様式・提出書類 を確認することが重要です。

建設分野では「職長・班長としての実務経験」も確認

建設分野の特定技能2号に必要となる職長・班長としての実務経験

建設分野で特定技能2号となるためには、 業務区分に対応する技能試験等への合格に加えて、 建設現場で複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、 工程を管理する者としての実務経験が必要です。

技能要件は「2号評価試験」または「技能検定1級」

建設分野では、 業務区分に対応する 「建設分野特定技能2号評価試験」または「技能検定1級(単一等級を含む)」 への合格が技能要件となります。

必要な職長・班長経験は職種によって異なる

建設キャリアアップシステム(CCUS)の能力評価基準が設定されている職種については、 能力評価基準のレベル3に対応する「職長+班長」の必要就業日数 が、2号に必要となる実務経験の基準とされています。

また、 CCUSのレベル3判定そのものを受けていることが必須という意味ではなく、 レベル3相当の職長・班長としての就業日数を満たしているか が確認されます。

能力評価基準がない職種は「3年・645日以上」

CCUSによる能力評価基準が設定されていない職種については、 職長・班長としての就業日数が3年(勤務日数645日)以上 であることが必要な実務経験とされています。

経験の「証明方法」も早めに確認

国土交通省では、 「2号特定技能外国人に求められる実務経験に係る申告書」 (分野参考様式第6-3号)や、 必要に応じた経歴証明書等の様式を公開しています。

特定技能1号から2号へ移行するときの建設分野の手続

特定技能2号では「建設特定技能受入計画」の認定は不要

特定技能2号については、 国土交通省の 「建設特定技能受入計画」の認定を受ける必要はありません。 在留資格に関する手続は、 出入国在留管理庁に対して行います。

特定技能2号でもJACへの加入は必要

建設分野で特定技能制度を利用する受入企業は、 一般社団法人建設技能人材機構(JAC)への加入が必要 とされています。

1号から2号へ移行したら「2号移行報告書」

外国人就労管理システム上で、 現在特定技能1号として「就労中」となっている外国人が 特定技能2号へ移行した場合には、 「2号移行報告書」 の報告が必要です。

建設会社が特定技能2号への移行前に確認したい7つのポイント

特定技能2号へ移行する前に建設会社が確認したいポイント

ここまでの内容を踏まえ、 特定技能2号への移行を予定している外国人がいる建設会社が、 事前に確認しておきたい事項を7つに整理します。

確認項目 建設会社で確認する内容
① 技能要件 業務区分に対応する建設分野特定技能2号評価試験または 技能検定1級(単一等級を含む)など、 必要な技能要件を満たしているか確認します。
② 職長・班長としての実務経験 対象職種について必要となる 「職長+班長」の就業日数を満たしているか確認します。 能力評価基準が設定されていない職種では、 3年(645日)以上が基準となります。
③ 2号移行後の業務内容 2号となった後、 どの業務区分でどのような建設作業を担当するのかを整理します。
④ 指導対象者 複数の建設技能者を指導することが建設分野2号の業務内容となっています。 指導対象者の考え方については、 現在入管庁が見直しを検討しています。
⑤ 工程管理への関与 2号の業務として工程管理を行うことを踏まえて、 予定している現場での役割を整理します。
⑥ 申請内容と実際の業務 申請書類に記載する内容と、 実際に従事させる業務との間にずれが生じないよう確認します。
⑦ 最新Q&A・様式の確認 申請直前に最新のQ&A、 参考様式、運用要領、提出書類一覧を確認します。
ポイント
特定技能2号への移行は、 外国人本人の試験合格だけを確認すれば終わりではありません。 実務経験、実際の業務内容、指導・工程管理の役割、 建設分野独自の手続まで含めて確認することが重要です。

今回の変更を「書類が1枚増えただけ」と考えない

今回の 「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書」は、 単に申請書類が1枚増えただけと考えるよりも、 2号移行後の業務内容を改めて確認する機会 として捉えた方がよいでしょう。

これから2号への移行を予定している場合は、 技能要件の確認 → 実務経験の確認 → 2号移行後の業務内容 → 在留資格変更申請 → 建設分野で必要となる報告 という流れで整理すると分かりやすいでしょう。

特定技能2号「業務内容に関する誓約書」のよくある質問

Q.建設分野特定技能2号評価試験に合格すれば、2号になれますか?

A.試験への合格だけでは足りません。 建設分野では、 業務区分に対応する技能要件に加え、 職長・班長として必要な実務経験を満たしていることも確認する必要があります。

Q.建設分野の特定技能2号では日本語試験への合格が必要ですか?

A.2026年9月24日時点では、 建設分野の特定技能2号の在留資格を得るために必要となる 日本語試験の要件は設けられていません。

Q.現在、指導対象者がいない場合は2号にできないのでしょうか?

A.2026年9月24日時点では、 入管庁はQ102において、 指導対象者の考え方を含め、 参考様式第1-32号に関する内容の見直しを検討しています。 現段階で一律に可否を判断せず、 申請時点の最新情報を確認する必要があります。

Q.特定技能2号でも国土交通省の建設特定技能受入計画の認定が必要ですか?

A.特定技能2号については、 国土交通省の「建設特定技能受入計画」の認定を受ける必要はありません。

Q.特定技能2号でもJACへの加入は必要ですか?

A.はい。 建設分野で特定技能制度を利用する受入企業は、 特定技能2号についてもJACへの加入が必要とされています。

Q.1号から2号へ変更した後、建設分野で別の報告はありますか?

A.外国人就労管理システム上で 特定技能1号として「就労中」となっている外国人が2号へ移行した場合には、 「2号移行報告書」の報告が必要です。

まとめ|特定技能2号は「資格要件」と「実際の業務」の両方を確認

2号特定技能外国人の在留諸申請では、 「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書(参考様式第1-32号)」 の提出が求められています。

建設分野では、 業務区分に対応する技能試験等への合格だけではなく、 職長・班長として必要な実務経験も確認する必要があります。

さらに、 2号移行後は、 複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、 工程を管理することが業務内容として定められています。

これから特定技能2号への移行を予定している外国人がいる建設会社では、 早めに技能要件、実務経験、業務内容、受入体制を整理し、 申請直前に最新のQ&Aや提出書類を再確認 するようにしましょう。

※本記事は2026年9月24日時点の公表情報をもとに作成しています。
参考様式第1-32号については現在内容の見直しが検討されているため、 今後取扱いが変更・明確化される可能性があります。

参考資料・公式情報

建設会社の許認可・関連手続は早めの確認を

建設会社では、 建設業許可だけでなく、 外国人材の受入れ、 技術者の配置、 各種変更手続など、 複数の制度が同時に関係する場合があります。