ちゃずけ先生こんにちは!以前相談したかつお節工場のオーナーさんがどんどん増えてうちで土工やコンクリート工事も請負いたいんだけど、許可とか必要かなぁ?
めんちちゃん、会社がいい発展していってるね!じゃあ今日はとび・土工コンクリート工事業の建設業許可について話そうね。知っておくべきポイントを一緒に見ていこう!
日本一わかりやすいをモットーにしていますが、
わからない箇所や理解が難しい文言があればお気軽にお問い合わせください。
建設業許可とは?
ちゃずけ先生、建設業許可を取るとどんなメリットがあるの?
いい質問ですね。建設業許可を取ると、500万円以上の工事を請け負えるようになり、信頼度が上がります。つまり、他社との差別化にもなるんです。また、多くの元請から「建設業許可を取って下さい」と依頼されるケースもありますよ
それはすごいね!でも、どうやって許可を取るの?
許可を取るためには、いくつかの条件を満たす必要があります。具体的には、次の6つの要件があるんだよ
- 経営業務の管理責任者がいること(『経管』”ケイカン”ともいいます)
- 専任技術者がいること
- 適切な社会保険に加入していること
- 請負契約に関して誠実性を有していること
- 請負契約を履行するに足りる財産的基礎を有すること
- 欠格要件に該当しないこと
なるほど、結構多いんだねぇ。でも、一つ一つ詳しく教えてもらいたいにゃ
もちろん!まずは、経営業務の管理責任者について説明しましょう。この役割を担う人は、基本的には法人であれば役員、個人事業主であれば本人がなる必要があります
とび・土工・コンクリート工事業の経営業務の管理責任者になれる人
とび・土工・コンクリート工事業で経営業務の管理責任者になれる人の要件は次のいずれかを満たしている人です
- 建設業に関し、5年以上の経営業務の管理責任者としての経験があること
- 建設業に関し、5年以上の経営業務の管理責任者に準ずる地位として、経営業務を管理した経験があること
- 6年以上の経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補佐する業務をした経験があること
なるほど、役員としての経験が重要なんだね。でも、役員の中にこれらの要件を満たす人がいない場合はどうすればいいの?
その場合は、次の条件を満たす人を役員の中に1人、さらにもう1人を「補佐する人」として置く必要があります
ⅰ, 建設業に関し、2年以上の役員等の経験を含む5年以上の役員等または役員に次ぐ地位の経験
ⅱ, 5年以上の役員等の経験があり、建設業に関し、2年以上の役員等の経験
ちなみに、上記(ⅱ,)前文の「5年以上の役員等の経験」は、建設業とは限らないんです
補佐する人とは?
- 財務管理の業務経験
- 労務管理の業務経験
- 業務運営の業務経験
注意すべき事として経営管理者は、許可申請業者で常勤でなければなりません。
ですので他社で経管になることも、個人事業主になることもできません
それぞれ役員経験が必要なんだね。じゃあ次に、専任技術者ってどういう人なの?
とび・土工・コンクリート工事業の専任技術者になれる人
専任技術者になるためには、次の条件を満たす必要があります
とび・土工・コンクリート工事業に対応している資格を持っていること
- 1級建設機械施工技士
- 2級建設機械施工技士(第1種〜第6種)
- 1級土木施工管理技士
- 2級土木施工管理技士(土木)(薬液注入)
- 1級建築施工管理技士
- 2級建築施工管理技士(躯体)
- 建設・総合技術監理(建設)技術士
- 建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)技術士
- 農業「農業土木」・総合技術監理(農業「農業土木」)技術士
- 水産「水産土木」・総合技術監理(水産「水産土木」)技術士
- 森林「森林土木」・総合技術監理(森林「森林土木」)技術士
- とび・とび工技能士(2級の資格者は資格取得後3年以上の実務経験が必要)
- 型枠施工技能士(2級の資格者は資格取得後3年以上の実務経験が必要)
- ウェルポイント技能士(2級の資格者は資格取得後3年以上の実務経験が必要)
- コンクリート圧送施工技能士(2級の資格者は資格取得後3年以上の実務経験が必要)
- 登録基礎ぐい工事(民間資格)
- 地すべり防止工事士(資格取得後1年の実務経験)(民間資格)
とび・土工・コンクリート工事業に関して10年以上の実務経験があること
会社員、一人親方、会社役員などの立場で10年以上の実務経験があること。
とび・土工・コンクリート工事業に関する所定学科を卒業して、かつ、一定期間の実務経験があること
建築学科、土木工学、などの所定学科を卒業後、
- 中学・高校卒業の場合は実務経験5年
- 大学・高等専門学校の場合は実務経験3年
- 専修学校の場合は実務経験5年(専門士、高度専門士であれば3年)
経験や資格が必要なんだね。専任技術者も常勤でなければいけないの?
そうです。専任技術者も申請する業者さんの常勤でなければなりません。他社で専任技術者になることや、個人事業主になることもできません。
建設業許可のとび・土工・コンクリート工事業とは?
では、建設業許可上のとび・土工・コンクリート工事業についても説明します。建設業許可事務ガイドラインによれば、とび・土工・コンクリート工事業は次のように定められています
- ”足場の組み立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て等を行う工事”
- ”くい打ち、くい抜き及び場所打ちぐいを行う工事”
- ”土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事”
- ”コンクリートにより工作物を築造する工事”
- ”その他基礎的ないしは準備工事”
とても幅広くいろんな種類の工事があるっぽいけど、なんかそれぞれふわっとしててわかりにくいなぁ。それぞれの工事がどのようなものか詳しく知りたいよぉ!
もちろんです。それぞれの工事について簡単に説明しますね
① 足場の組み立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て等を行う工事
- とび工事: 建設現場での高所作業や足場の設置、解体を行う作業です。安全対策が特に重要です。
- ひき工事: 土地や地面を平らにするための工事です。整地作業とも言われます。
- 足場等仮設工事: 作業員が安全に作業を行うための仮設足場や設備を設置する工事です。
- 重量物のクレーン等による揚重運搬配置工事: クレーンなどを使って重い物を持ち上げ、運搬、配置する作業です。大規模な建設プロジェクトでよく行われます。
- 鉄骨組立て工事: 建物の骨組みとなる鉄骨を組み立てる工事です。正確な組み立てが求められます。
- コンクリートブロック据付工事: コンクリートブロックを設置し、壁や構造物を形成する工事です。耐久性が求められます。
② くい打ち、くい抜き及び場所打ちぐいを行う工事
- くい工事: 建物の基礎を支えるために、地中に杭を打ち込む工事です。
- くい打ち工事: 機械を使って杭を地中に打ち込む作業です。振動や騒音が発生することがあります。
- くい抜き工事: 既存の杭を引き抜く作業です。古い建物の解体時などに行われます。
- 場所打ぐい工事: 現場でコンクリートを打設して杭を作る工事です。地盤の状態に合わせて柔軟に対応できます。
③ 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事
- 土工事: 建設現場での土の掘削や盛土など、地盤の整備を行う工事です。
- 掘削工事: 建物の基礎や地下構造物を作るために地面を掘る作業です。
- 根切り工事: 建物の基礎部分を掘り下げる工事です。正確な掘削が求められます。
- 発破工事: 爆薬を使って岩石や硬い地盤を破砕する工事です。慎重な取り扱いが必要です。
- 盛土工事: 地面を高くするために土を積み上げる作業です。道路や建物の基礎を作るために行われます。
④ コンクリートにより工作物を築造する工事
- コンクリート工事: コンクリートを使って建物や構造物を作る工事全般です。
- コンクリート打設工事: コンクリートを型枠に流し込み、固める作業です。
- コンクリート圧送工事: コンクリートを圧送機を使って遠くまで運び、打設する作業です。
- プレストレストコンクリート工事: コンクリートにあらかじめ圧縮力を与えて、耐久性や強度を高める工法です。
⑤ その他基礎的ないしは準備工事
- 地すべり防止工事: 地すべりを防ぐための工事です。斜面の安定化を図ります。
- 地盤改良工事: 地盤の強度を高めるために行う工事です。薬剤注入や土質改良などがあります。
- ボーリンググラウト工事: 地盤にボーリング(穴あけ)を行い、そこにグラウト材を注入して地盤を強化する工事です。
- 土締め工事: 土を締め固めて地盤を安定させる作業です。
- 仮締切り工事: 水の浸入を防ぐために一時的に締め切る工事です。河川工事などで行われます。
- 吹付け工事: 特殊な機械を使って材料を吹き付ける工事です。断熱や防水、防火などに用いられます。
- 法面保護工事: 斜面を安定させるための工事です。植栽やネット、コンクリートなどで斜面を保護します。
- 道路付属物設置工事: 道路標識やガードレール、照明など、道路に付随する設備を設置する工事です。
- 野外広告物設置工事: 看板や広告塔など、野外に設置される広告物を設置する工事です。
- 捨石工事: 河川や海岸の護岸工事で、石を捨てて浸食を防ぐ工事です。
- 外構工事: 建物の外部周りの整備を行う工事です。庭やフェンス、駐車場などが含まれます。
- はつり工事: コンクリートの表面を削り取る工事です。改修や補修の際に行われます。
- 切断穿孔工事: コンクリートや金属などに穴を開ける工事です。配管や配線のために行われます。
- アンカー工事: 建物や構造物を固定するために、アンカーボルトを設置する工事です。
- あと施工アンカー工事: 既存の構造物に後からアンカーボルトを設置する工事です。改修工事でよく行われます。
- 潜水工事: 水中で行う工事です。橋脚の補修や水中構造物の設置などが含まれます。
それぞれの工事は、建物やインフラの構造を支える重要な役割を果たしています。
どれもとても重要な工事ですね。これらの工事をするために、やはり建設業許可が必要なんですね
そうです。これらの工事を請け負うためには、適切な資格や経験が必要であり、それを証明するための建設業許可が重要です
社会保険の加入義務
次に、適切な社会保険について説明します。法人であれば役員1人であっても健康保険・厚生年金に加入する必要があります。個人事業主の場合は、常勤従業員が5人以上いる場合に加入が必要です。また、1人でも雇用していて、一定の時間以上働いている場合は雇用保険に加入しなければなりません
健康保険 | 厚生年金 | 雇用保険 | |
法人 | 必要 | 必要 | 1人でも雇用した場合必要(取締役は不要) |
個人事業 | 常勤従業員5人以上で必要 | 常勤従業員5人以上で必要 | 1人でも雇用した場合必要 |
これらの保険に加入することも、建設業許可を取得するための要件なんですね他にはどんな要件があるの?
その他には、請負契約に関して誠実性があること、請負契約を履行するに足りる財産的基礎があること、そして欠格要件に該当しないことが求められます。
財産的基礎の要件
財産的基礎の要件も重要です。一般建設業許可では500万円の純資産が必要で、特定建設業許可では資本金2,000万円以上が必要です
一般建設業許可要件 | 特定建設業許可要件 |
純資産500万円以上 | 資本金2000万円以上 |
ニャッ!?特定建設業許可の要件は厳しいんだね
そうですね。でもね、これは下請け業者さんの保護のために設定されているので適切な財産的基礎があることで、下請け業者の支払いが滞るリスクを減らすことができます
欠格要件と誠実性
最後に、欠格要件と誠実性について教えて
欠格要件とは、建設業法第8条に定められているもので、例えば犯罪歴がある人や、過去に許可を取り消されたことがある人などが該当します。また、請負契約に関して誠実性があることも求められます。一応リンク張っておくからよかったら読んでみてね
リンク:e-GOV建設業法(昭和二十四年法律第百号)
いや、結構です。それに、トイレして砂かいてカリカリ食べて水飲んで人間癒して寝るだけだからわたしは該当しないニャン!
ともあれ、誠実性が重要なんですね
その通りです。信頼される企業として、誠実な対応が求められます
よくわかった。建設業許可を取るためには、これらの要件をしっかりと満たすことが重要なんだね!
その通りです。弊所では、お客様に代わって複雑な申請手続きをフルサポートしますので、ぜひご相談ください
最後に
いかがでしたでしょうか。
とび・土工・コンクリート工事業の建設業許可を取得するための具体的な手続きを説明しました。
とび・土工・コンクリート工事業の許可を取りたい方は、ぜひこのガイドを参考にして、必要な条件を満たしていってください。
弊所では、複雑な手続きを全力でサポートしスムーズに手続きを進めることができます。
是非、お問い合わせください。
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