ちゃずけ先生、会社を設立したいと思っているんですが、いろいろ方法があると友達に聞いたのですが、どんな種類があるんですか?
いい質問だね、めんちちゃん。日本で設立できる会社には主に4種類あるんだ。株式会社、合同会社、合名会社、合資会社の4つだよ。それでは今回はそれぞれの特徴と設立の手順など詳しく説明していこう。
出来る限りわかりやすく書きますが、わからない言葉や理解が難しい文言があればお気軽にお問い合わせください。
Ⅰ、株式会社(KK)
株式会社は、株主が出資し、その出資額に応じて経営に関与する会社形態です。
一般的に最も信頼性が高く、取引先や金融機関からの信用が厚いです。
手順
①基本事項の決定
- 商号(会社名)
- 本店所在地
- 事業目的
- 発行可能株式総数
- 資本金の額
- 発起人の決定
②定款の作成
- 電子定款を作成し、公証役場で認証を受ける
③資本金の払い込み
- 発起人の口座に資本金を振り込む
④設立登記の申請
- 法務局にて設立登記を行う
⑤設立完了通知
- 法務局から設立完了の通知を受け取る
必要書類
- 定款
- 発起人の印鑑証明書
- 発起人決定書
- 資本金の払込証明書
- 登記申請書
費用
- 定款認証費用:約30,000~50,000円
- 定款印紙税:40,000円(電子定款であれば0円)
- 登録免許税:資本金の0.7%(最低150,000円)
- その他手数料等:約20,000円〜
設立の際の注意点
定款の作成には法律の知識が必要です。行政書士や司法書士に相談することが推奨されます。
株主総会や取締役会の運営方法をしっかりと決める必要があります。
株式会社って結構手間がかかるんだにゃぁ。もっと簡単な方法はにゃいですか?
そうだね、もう少し簡単に設立できる会社もあるよ。例えば合同会社はどうかにゃ?
Ⅱ、合同会社(GK)
合同会社は、出資者全員が有限責任社員として経営に参加する形態です。設立費用が安く、経営の自由度が高いのが特徴です。
手順
①基本事項の決定
- 商号(会社名)
- 本店所在地
- 事業目的
- 資本金の額
- 社員(出資者)の決定
②定款の作成
- 電子定款を作成し、認証を受ける
③資本金の払い込み
- 社員の口座に資本金を振り込む
④設立登記の申請
- 法務局にて設立登記を行う
⑤設立完了通知
- 法務局から設立完了の通知を受け取る
必要書類
- 定款
- 社員の印鑑証明書
- 資本金の払込証明書
- 登記申請書
費用
- 定款認証費用:不要(電子定款の場合)
- 登録免許税:60,000円
- その他手数料等:約20,000円〜
設立の際の注意点
- 定款で社員の権利義務や利益分配方法を明確に定めることが重要です。
- 社員間での意思決定方法や経営方針を事前に合意しておくことがトラブル防止につながります。
あまり知られていないけど、AmazonジャパンやAppleジャパン、ユニバーサルスタジオジャパンや、西友、Googleも合同会社なんだよ
合同会社は費用も少なくて良さそうでだにゃぁ。でも、有限責任ってことは、無限責任を負うのってのもあるの?
それなら合名会社や合資会社が考えられるね。ただ、無限責任を負う点についてしっかり理解しておく必要があるよ。
Ⅲ、合名会社
合名会社は、全ての社員が無限責任を負う会社形態です。
少人数での起業に適しており、社員間の信頼関係が重要です。
手順
①基本事項の決定
- 商号(会社名)
- 本店所在地
- 事業目的
- 資本金の額
- 社員の決定
②定款の作成
- 定款を作成し、全社員が署名
③資本金の払い込み
- 社員の口座に資本金を振り込む
④設立登記の申請
- 法務局にて設立登記を行う
⑤設立完了通知
- 法務局から設立完了の通知を受け取る
必要書類
- 定款
- 社員の印鑑証明書
- 資本金の払込証明書
- 登記申請書
費用
- 登録免許税:60,000円
- その他手数料等:約20,000円〜
設立の際の注意点
- 無限責任社員は会社の債務に対して無限に責任を負うため、信頼できる社員を選ぶことが重要です。
- 定款で社員間の権利義務や利益分配方法を明確に定める必要があります。
無限責任ってやっぱり怖いニャ・・・。有限責任の部分だけ取り入れたい場合はどうすればいいにゃ?
その場合は合資会社があるよ。無限責任社員と有限責任社員が混在する形態だね
Ⅳ、合資会社
合資会社は、無限責任社員と有限責任社員が混在する会社形態です。無限責任社員が経営に関与し、有限責任社員は出資のみを行います。
手順
①基本事項の決定
- 商号(会社名)
- 本店所在地
- 事業目的
- 資本金の額
- 社員(無限責任社員と有限責任社員)の決定
②定款の作成
- 定款を作成し、全社員が署名
③資本金の払い込み
- 社員の口座に資本金を振り込む
④設立登記の申請
- 法務局にて設立登記を行う
⑤設立完了通知
- 法務局から設立完了の通知を受け取る
必要書類
- 定款
- 社員の印鑑証明書
- 資本金の払込証明書
- 登記申請書
費用
- 登録免許税:60,000円
- その他手数料等:約20,000円〜
設立の際の注意点
- 無限責任社員と有限責任社員の役割分担を明確にすることが重要です。
- 定款で社員間の権利義務や利益分配方法を詳細に定める必要があります。
持分会社の会社形態の選び方
具体例1:小規模なITスタートアップ
合同会社(GK)が適している場合:低コストで設立でき、経営の自由度が高い。
特に初期費用を抑えたい場合や柔軟な経営を求める場合に最適。
具体例2:家族経営の飲食店
合名会社が適している場合:家族間での信頼関係が強く、無限責任を共有できる。
信頼性を高めたい場合や、対外的な信用を重視する場合に向いている。
具体例3:地方の農業法人
合資会社が適している場合:無限責任社員がリスクを負い、有限責任社員からの出資を募ることで資金調達を行う。
責任を明確に分けたい場合に有効。
それぞれの違いはよくわかった!でも、自分で全部やるのは大変そうですね。誰かに頼むことはできにゃいの?
それなら行政書士に依頼するのが良いよ。いくつかのメリットがあるんだ。
行政書士に依頼するメリット
メリット1:手続きの代行
行政書士に依頼することで、複雑な手続きを代行してもらえます。
これにより、書類作成や法務局への申請など、面倒な作業から解放されます。
(*登記申請は司法書士に委託します)
メリット2:専門的なアドバイス
行政書士はあなたの街の法律家ですので、最適な会社形態や経営に関するアドバイスを受けることができます。
特に初めて会社を設立する場合、不安や疑問を解消するのに役立ちます。
メリット3:時間の節約
書類作成や申請手続きは時間がかかる作業です。
行政書士に依頼することで、これらの作業を任せ、自分は事業計画や営業活動に集中できます。
メリット4:法的リスクの軽減
法律に精通した行政書士が書類をチェックし、適切に手続きを進めてくれるため、法的リスクを軽減できます。
これにより、設立後のトラブルを防ぐことができます。
行政書士に依頼することで、手続きがスムーズに進みそうだニャ♪。会社設立が少し身近に感じられました☆
そうだね、めんちちゃん。自分の事業に最適な会社形態を選び、専門家のサポートを受けながら設立を進めていけば、スムーズにスタートを切れるはずだよ
最後に
会社設立にはさまざまな選択肢があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
事業の規模や目的、リスク管理の考え方によって最適な形態を選ぶことが重要です。
特に、初期費用や経営の柔軟性を重視する場合は合同会社、
信頼性や資金調達のしやすさを求める場合は株式会社が適しています。
また、行政書士に依頼することで、手続きがスムーズに進み、法的リスクも軽減できます。
事業の性質や目指す方向性に応じて、適切な会社形態を選び、専門家のサポートを受けながらスムーズに会社設立を進めましょう。
会社設立に関して疑問点がございましたら、お気軽に当事務所にお問い合わせください。